【5月19日 AFP】米プロバスケットボール(NBA)のレジェンドであるマイケル・ジョーダン(Michael Jordan)氏は、1990年代に王朝を築いたシカゴ・ブルズ(Chicago Bulls)のメンバーについて、当時の経営陣がフィル・ジャクソン(Phil Jackson)ヘッドコーチ(HC)を後押ししていれば、もう一年一緒にプレーしていたと確信している。

 ジョーダン氏は自身のキャリアを詳細に描いたドキュメンタリーシリーズ「ラストダンス(The Last Dance)」の最終話で、チームの経営陣がデニス・ロッドマン(Dennis Rodman)氏やスコッティ・ピッペン(Scottie Pippen)氏、そしてジャクソンHCらを引き留めていれば、もう一年自分もチームと契約していたと語った。

「1998年の優勝メンバーが、チームから『7度目のファイナル制覇に向けて、もう一年契約するつもりだ』と言われていたら、彼らはサインしていたと思うかって? ああ、サインしていたはずだ」「もう一年自分も契約していたか? ああ、きっともう一年契約していただろう」

「フィル(ジャクソンHC)もそうしていたか? イエスだ。ピップ(ピッペン)に関しては、少し説得が必要だったかもしれない。だがもしフィルやデニス、そしてMJ(ジョーダン氏)が、7度目の優勝を目指してチームに残るつもりだったら? ピップがそのチャンスを逃すはずはない」

 実際には、ジョーダン氏とジャクソンHCが一度バスケットボールを離れて数年後に復帰した一方で、ピッペン氏とスティーブ・カー(Steve Kerr)氏はトレードに出され、ロッドマン氏はチームから放出された。

 こうして再編成されたブルズは負け越しが続いて6シーズン連続でプレーオフを逃し、タイトルを獲得した1998年以降でイースタンカンファレンスファイナルに到達したのは一度だけとなっている。

 全10話で構成されたシリーズ最終話で、ジョーダン氏は絶頂期に去ることには全く納得していなかったと明かし、「腹立たしかった。7度目の優勝を果たせる自信があったからね」とすると、「本当にそう確信している。そうでないとしても、挑戦することもできないなんて、どんな理由があろうと受け入れられるものじゃない」と語った。

 ブルズで当時ゼネラルマネジャー(GM)を務めていたジェリー・クラウス(Jerry Krause)氏は、1998-99シーズンの開幕前にジャクソンHCに対して、これが指揮官として最後のシーズンになると通告していた。この動きはジョーダン氏の退団とチームの解体につながった。

 ジョーダン氏は、「クラウスは1998年のシーズン開幕前に、『フィルは82勝0敗を記録しても、指揮官であり続けることは絶対にない』と伝えていた。だから、フィルがこれがラストダンスだと言った時点で、ラストダンスだということは決まっていた。経営陣がこのチームを存続させるつもりはないと分かっていた」と話した。(c)AFP