【5月18日 AFP】米プロバスケットボール(NBA)のレジェンド、マイケル・ジョーダン(Michael Jordan)氏がデビューシーズンに着用した「エアジョーダン1(Air Jordan 1)」が、バスケットボールシューズとしては史上最高額となる56万ドル(約6000万円)で落札された。

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 今回競売に出されたのは、本人のサインが入った1985年製作のエアジョーダン1で、白と黒、赤のシカゴ・ブルズ(Chicago Bulls)カラーが特徴。NBAに乗り込むジョーダン氏のために米スポーツ用品大手のナイキ(Nike)が特別に製作したシューズで、シリーズの最初を飾る記念すべきモデルとなっている。

 競売大手サザビーズ(Sotheby's)は10万~15万ドル(約1070万~1600万円)での落札を見込んでいたが、実際の落札額はそれを軽々と上回り、ナイキの初期のシューズで、同じくサザビーズでオークションに出された「ムーン・シュー(Moon Shoe、月の靴)」が2019年7月に記録した43万7000ドル(約4685万円)の過去最高額をも更新した。

 ジョーダン氏とブルズの戦いの歴史を追ったドキュメンタリーシリーズ「ラストダンス(The Last Dance)」の配信が米スポーツ専門チャンネルESPNと動画配信大手ネットフリックス(Netflix)で始まって以降、同氏の関連アイテムの価値は急激に高まっているが、今回の競売もそれを改めて証明する結果となった。

 出品者でコレクターのジョーダン・ゲラー(Jordan Geller)氏は、「試合で使ったエアジョーダン1は、史上最も象徴的なシューズだろう」「非常に特徴的で、郷愁を大いに誘うところが特別な魅力になっている。マイケル・ジョーダンが実際に試合で履いたという事実が、シューズを全く別の次元へ押し上げている」と話している。

 今回のエアジョーダン1と違って、ムーン・シューは未使用の品だった。

 スポーツ選手が履いたシューズとしては、英国のロジャー・バニスター(Roger Bannister)氏が1954年に世界で初めて1マイル競走(約1.6キロメートル)4分切りを達成した際に使ったレザーソールのランニングシューズが、これまでの最高額だった。こちらは英ロンドンのクリスティーズ(Christie's)で2015年に40万9000ドル(約4385万円)で落札された。(c)AFP