【5月18日 CNS】新型コロナウイルスの感染拡大以来、北九州市はさまざまな方式とルートを通して、友好都市である中国・遼寧省(Liaoning)の大連市(Dalian)に対し、慰問と支援を行った。感染が中国から世界へとまん延している現在、大連市はできる範囲で適時に物資を送ることで、友好都市として共闘する気持ちを実際の行動で示した。

 北九州市と大連市は1979年5月、大連市にとって初めての国際友好都市となった。以来、現在の北橋健治(Kenji Kitahashi)市長を含む歴代の北九市市長は大連市の名誉市民となり、両市間では、経済、環境、観光など多くの領域で交流の成果を積み上げてきた。大連の「北大橋」、北九州の「大北亭」「大連友好記念館」などは両市友好の象徴となっている。

 中国国内で感染が拡大すると、北九州市はマスクなどの医療物資を素早く調達し、日本のその他の都市から支援物資を取りまとめ、直行便の利便性を生かして大連に送り込んだ。その際には、北九州空港のターミナルビルに「中国加油(訳:ガンバレ)、大連加油」の大きな垂れ幕を掲げた。

 その後、大連の感染状況が落ち着くと、今度は日本で感染がまん延し、北九州市内でも感染者が出た。北九州市でマスク不足となり、緊急にマスクが必要となっていることを知ると、大連市は即座に手当てを行い、北九州市に20万枚のマスクを寄贈することを決めた。

 そして3月27日、北九州市に大連から贈られた20万枚のマスクが届いた。マスクの箱の上には「瀟瀟春雨下,相約一把傘。北九州加油!日本加油!(訳:春雨や身をすり寄せて一つ傘。北九州ガンバレ、日本ガンバレ!)」と書かれていた。

 大連市外事弁公室アジア処の景詩博(Jing Shibo)副処長によると「大連市が北九州市へ送ったマスクは決して儀礼的な『お返し』ではありません。友人が困っているのだから、われわれも友人としてできる限り力を貸し、お助けしたいという趣旨です」と語っている。

 現在、大連市では、生産と経営、学校の再開を進めており、北九州市などの国際友好都市とともに都市の管理や小中学校の防災教育、国際交流の新しいやり方を討論していきたいとしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News