ベルギーの医療従事者、首相の激励訪問に背を向け「冷たい歓迎」
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【5月18日 AFP】新型コロナウイルスによる死者数が人口比で多いベルギーで16日、大流行の最前線で闘う首都ブリュッセルの病院をソフィー・ウィルメス(Sophie Wilmes)首相が訪問したところ、出迎えた医療従事者らが一斉に背を向ける一幕があった。
サン・ピエール(Saint Pierre)病院の入り口では、看護師ら病院関係者が一列に並んでウィルメス首相を出迎えたが、首相の乗った車が到着すると次々に背を向けた。
現地メディアはこの冷たい歓迎について、病院への物資供給不足や、新型コロナ危機で必要なら医療関係者に労働を強制できる法令に対する抗議行動だと伝えている。
フランス語放送RTBFの取材に匿名で応じた看護師の一人は、「政治家はいつだって、私たちの支援要請に背を向ける」と語った。「医療チームは人手不足だ。燃え尽き症候群(バーンアウト)に陥る割合の高さが、それを証明している。医療職を正しく評価してほしい」
人口約1150万人のベルギーは、世界でも国民1人当たりの死者数が最も多い国の一つ。感染者数は減少しつつあり、外出制限も緩和され始めたが、17日までの累計で感染者数は5万5280人、死者は9052人となっている。(c)AFP