【5月18日 AFP】カナダのブリティッシュコロンビア(British Columbia)州で17日、同国空軍のアクロバット飛行隊「スノーバーズ(Snowbirds)」所属機が墜落し、操縦士1人が死亡、もう1人が負傷した。

 地元メディアによると、事故機は17日午前にカムループス(Kamloops)にある空港を別の1機と共に離陸。その直後、住宅の正面の庭に墜落したという。

 同州政府のエイドリアン・ディクス(Adrian Dix)保健相はツイッター(Twitter)で、1人が病院に搬送されたと明らかにした。

 カナダ空軍は同日夜、この事故で1人が死亡したとツイッターで明らかにした。もう1人も負傷したが、生命に別条はないとみられているという。

 目撃者らは、操縦士が墜落前にパラシュートで脱出し、家屋の屋根に着地したが、首と背中を負傷したようだと述べた。

 事故を目撃したノーリン・マクラウド(Nolyn Mcleod)さんは公営カナダ放送協会(CBC)に、事故機が自宅の屋根のおよそ3メートル上を通り過ぎたと語った。

 マクラウドさんは、「操縦士が2階建ての建物くらいの高度で航空機から脱出するのを見た。そしてその飛行機が私の家と隣の家の間を通り過ぎた」と証言。機体はそのまま隣人の家の寝室の窓に衝突したという。

「現場は完全に混乱状態に陥って人々が叫んでいるのが聞こえた。みんな爆弾か何かが落ちたのだと思った。それくらいめちゃくちゃだった」(マクラウドさん)

 2機は、空軍の「オペレーション・インスピレーション(Operation Inspiration)」というアクロバット飛行ツアーに参加し、ブリティッシュコロンビア州の上空を飛行する予定だった。このツアーは今月から国内で新型コロナウイルスと闘う人々に敬意を表す目的で開始されたもの。

 白い煙をなびかせる9機の編隊飛行で知られるスノーバーズのアクロバット飛行ツアーは、ノバスコシア(Nova Scotia)州から始まり、大西洋岸から太平洋岸までの各都市上空で行われる予定だった。スノーバーズの編隊は高度150メートルの低空飛行をすることもある。(c)AFP