【5月18日 AFP】16日に行われた19-20ドイツ・ブンデスリーガ1部の1899ホッフェンハイム(1899 Hoffenheim)対ヘルタ・ベルリン(Hertha Berlin)戦で、選手が新型コロナウイルス感染防止のルールを無視して「濃厚接触」したことに対して、政治家から批判の声が上がっている。選手は謝罪したが、チームメートにキスしたことは否定した。

 ブンデスリーガは16日、新型ウイルスの影響による中断からおよそ2か月ぶりに再開したが、政府が承認したプランの中で感染防止の細かな指針を定め、各クラブもそれに合意していた。

 しかしホッフェンハイムとヘルタの試合では、ヘルタのデドリック・ボヤタ(Dedryck Boyata)がマルコ・グルイッチ(Marko Grujic)の頬にキスをしたように見える場面があった。

 再開に際して選手は不要な接触、特にゴールを喜ぶ際の接触は避けるよう言われていたが、他会場でも指示を守らないケースはあり、フランクフルト(Eintracht Frankfurt)対ボルシア・メンヘングラッドバッハ(Borussia Moenchengladbach)戦でもボルシアMGの選手が抱き合ってゴールを喜んだ。

 これを知ったバイエルン(Bavaria)州のマルクス・ゼーダー(Markus Soeder)州首相は、テレビ局「スポーツ1(Sport1)」に対して「サッカーには手本を示すという極めて重要な役割がある。来週は指示に従って注意するべきだ」「選手はルールも守らなくてはならない」と話し、ゴールパフォーマンスに関する指示の「引き締め」を期待すると発言した。

 こうした中で、ボヤタは自身のインスタグラム(Instagram)に「(グルイッチの)顔に手を当てたことを謝罪する」と書き込み、問題の場面は「キス」でも「セレブレーション」でもなく、CKに関する会話だったと説明した。

「セットプレーについて指示していたんだ」「だけどもちろん、今はこうした状況でプレーしているわけだから、気をつけなくてはいけない」「プレーの仕方や喜び方を変えていかないといけない」

 ドイツサッカーリーグ機構(DFL)は、ガイドラインを無視したことに対する処分は、少なくとも今節はないと話しているが、今後は対応が変わる可能性もある。

 ヘルタのブルーノ・ラッバディア(Bruno Labbadia)監督は、ゴール後のハグはサッカーの一部だと選手を擁護し、「何度も検査しているから大丈夫」「もうゴールを祝福できないということになったら、すべてが台無しだ」と話している。

 しかしチームでは今月初めにも、元チェルシー(Chelsea)のサロモン・カルー(Salomon Kalou)が練習前の更衣室でチームメートと握手している動画を投稿し、クラブから謹慎処分を科されている。(c)AFP