【5月15日 AFP】アフガニスタンの首都カブールで、12日に発生した病院の産科病棟襲撃事件について、同病棟を運営する国境なき医師団(MSF)は14日、武装集団は「産婦らを殺すために来た」との見方を示した。

 事件は12日、同市西部のバルチ国立病院(Barchi National Hospital)で発生。武装した男3人が産科病棟を襲撃し、新生児や母親、看護師を含む少なくとも24人が殺害された。この襲撃には、国際社会から非難が集まった。

 現場を事件翌日に訪れた、MSFアフガン支部のフレデリック・ボノ(Frederic Bonnot)代表は14日、「私が同産科病棟で目にしたことからは、産婦らに対する意図的な銃撃だったことが如実に表れている」と述べた。

 MSFによると、事件発生当時バルチ国立病院には26人の産婦がいた。このうち、分娩(ぶんべん)室内に新生児と共にいた5人を含む11人が殺害され、5人が負傷した。残る10人は安全な部屋に避難し、無事だった。

 当局は、襲撃犯らは長時間に及んだ掃討作戦の末、死亡したと発表した。

 米政府のザルメイ・ハリルザド(Zalmay Khalilzad)アフガン和平担当特別代表は、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」のアフガン分派「イスラム国ホラサン州(IS-Khorasan)」による犯行と断定。

 ハリルザド氏は、「ISはアフガニスタンと(旧支配勢力)タリバン(Taliban)の間で結ばれた和平合意に反発しており、イラクやシリアで起きているような宗派間対立をたきつけようとしている」とツイッター(Twitter)に投稿した。

 タリバンは、この襲撃への関与を否定している。(c)AFP