【5月15日 AFP】米大リーグ(MLB)、タンパベイ・レイズ(Tampa Bay Rays)のスター左腕であるブレイク・スネル(Blake Snell)は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が発生している中で命を懸けてプレーをしても、給与が減額されてしまうのは「割に合わない」と主張している。

 2018年に両リーグ最多の21勝を記録してア・リーグのサイ・ヤング賞(Cy Young Award)に輝いた27歳のスネルは、13日にゲーム専用ライブストリーミング配信プラットフォーム「ツイッチ(Twitch)」で、3月の開幕を妨げた新型コロナウイルスに感染すれば、長期にわたり健康を害する可能性が懸念されるとの認識を示した。

「リスクはかなり高まっているのに、もらえる給与は下がっていく。そんなのやってられると思うか?」「割に合わないよ。自分は野球が大好きだけれど、とにかく価値はない」

 リーグ側は先日、選手会(MLBPA)に対してシーズン再開計画を提示したものの、給与に関しては試合数に応じて支払うとした4月の合意から、さらなる減額を求めた。今季は全試合が行われたとしても、各チームがプレーするのは計82試合に短縮される見通しとなっている。

 スネルはこれ以上の減俸は到底受け入れられないとして、「自分にとって給与削減はあり得ない。なぜなら、リスクはとんでもなく高いからだ」「シーズンは短縮され、給与が減っていく。自分の給与はもらうべきだ。自分の分が支払われないならプレーするつもりはない。それが自分の考えだ。違う考えの人には申し分けないが」とコメントした。

 2020年シーズンは700万ドル(約7億5000万円)を稼ぐはずだったスネルは、リーグ側が減収が見込まれる今季の収入を5割ずつに折半すると提案し、損失分は選手と分け合う一方で、もうかっている時期の余得を分配しようとしないことに反発した。

「みんなには理解してもらいたい。きっと誰もが、『ブレイクはこの競技が大好きでプレーしているのに、いったいどうしたんだ? 何にこだわっている?』と言うだろう」「いいか、俺は命を懸けているんだ。いったい何にこだわっているかって? 100パーセントの給与だ。プレーするのなら、契約した分の給与をもらう必要がある」 (c)AFP