■政府の対応「評価しない」57.5%

 一方、北海道大学(Hokkaido University)の鈴木一人(Kazuto Suzuki)公共政策大学院教授は、日本の比較的少ない感染件数では、感染者のクラスター追跡と急性症患者だけを検査するという戦略で十分であることが分かったとし、一にも二にも検査というのは日本の戦略ではないと記者団に語っている。

 鈴木氏はまた、検査実施数に対する陽性率が約7.5%であることに触れながら、「検査数は十分」との見解を示している。ただ、「もし急激な感染拡大が再び起これば、もっと検査が必要となるだろう」とも述べた。

 感染拡大が抑制されている日本の状況については、飛びぬけて高いマスクの着用率と衛生および手洗いの文化が寄与しているとした。

 共同通信(Kyodo News)による最近の世論調査によると、安倍晋三(Shinzo Abe)首相政権の新型ウイルスへの対応を「評価しない」との回答は57.5%で、「評価する」はわずか34.1%だった。

 コンサルタント会社テネオ(Teneo)の日本の政策の専門家トバイアス・ハリス(Tobias Harris)氏は、安倍氏の対応には「むらがある」と指摘する。

「事態に先回りして対処することが最初からできていない。コミュニケーションを効果的なものにすることができず、補佐役からのサポートも十分ではない」 (c)AFP/Richard CARTER / Natsuko FUKUE