【5月19日 CNS】中国・広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)南寧市(Nanning)で12日、「広西ヘビ産業転換昇級プロジェクト」の契約締結式典が行われた。広西の人工飼育ヘビ産業は民族医薬、美容健康、日用化工などの健康産業に向け、産業の転換とアップグレードの道を歩み始めた。

 統計によると、広西で人工飼育されている陸上野生動物は30種あり、ヘビ類、タケネズミ、カエル類が主だ。その中で、ヘビ類の飼育数は約2000万匹、全国総量の70%を占め、飼育場は1万4000か所、従業者数3万7000人を数える。

 今年2月に開催された全人代常務委員会第16次会議で「野生動物の非合法取引の全面的禁止と野生動物を食する悪習の廃除」に関する議案が審議を経て承認された。これにより「国家家畜家禽(かきん)遺伝資源目録」に記載のない人工飼育した野生動物の売買と食用は全面的に禁止となった。以来、広西では関連する政策措置の検討と制定を加速させ、野生動物の人工飼育の産業転換を適切に進める動きが広がっている。

「広西金聖堂健康産業投資」と「広西大張現代農業」の2社は当日、それぞれ崇左市(Chongzuo)、欽州市(Qinzhou)、貴港市(Guigang)と契約を取り交わし、ヘビの受け入れ、貯蔵、加工を一体化した「ヘビ産業園」3か所を建設し、南寧市では最終製品の研究開発と最終加工と物流配送を行う産業団地を建設することを決定した。プロジェクトの総投資額は50億元(約753億7300万円)に上る。

 広西林業局の黄顕(Huang Xian)局長によると、広西のヘビ産業の転換とアップグレードは、ヘビの養殖産業の継続的で健全な発展を導くものであり、貧困扶助の成果を強固にし、野生動物保護と農村経済振興の同時発展を促進するとしている。広西の政府各部門は、全力でプロジェクト建設を支持し、金融、納税、用地獲得などの面で優遇措置を講じ、契約企業に対し、最も優遇的な政策、最良のサービスと投資環境を提供し、3年から5年で、広西のヘビ産業をチワン族とヤオ族の医薬応用を特色とする一大健康産業へ作り上げるとしている。

 広西林業部門によると、タケネズミの養殖については、産業の加工アップグレードの面で見通しは依然グレーだ。タケネズミを「国家家畜家禽遺伝資源目録」への編入を進めると同時に、補償措置に着手、養殖業者の損失を可能な限り縮小することにより、放棄された動物の絶命や散逸、不法な食肉処理食用などを防止するとしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News