【5月14日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は13日、政府の新型コロナウイルス対策に医療面から助言を行う米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ(Anthony Fauci)所長がロックダウン(都市封鎖)緩和に慎重論を唱えたことに対し、「受け入れられない」と述べて対立姿勢を強めた。特に、学校閉鎖の継続については「全く」同意できないとしている。

 学校や大学を9月に再開させるべきかという問題は、経済活動の早期再開をめぐって意見を異にするトランプ政権とファウチ氏の間で、論争の火種となりつつある。

 感染症の専門家として国際的に高い評価を得ているファウチ氏は、12日の米上院公聴会で、性急なロックダウン解除は「非常に深刻な」結果をもたらしかねないと証言。「制御不可能な流行を引き起こす真のリスクがある」と警告していた。

 しかし、この発言についてトランプ氏は「受け入れられない」とホワイトハウスで記者団に明言。「われわれは封鎖を解除していく。国民も解除を求めている。学校は再開される」と述べた。

 トランプ氏はさらに、14日放送予定のビジネスニュース専門局フォックス・ビジネス(Fox Business)のインタビューで、「アンソニーは良い人間だ。とても良い人間だが、彼に賛同はできない」「学校は再開しなければならないと思う」と語っている。

「われわれは米国を再開しなければならない。安全に再開したいが、同時にできるだけ早く再開したい。このような状況を継続するわけにはいかない。街中ではすでに大混乱が起きている」とトランプ氏は主張。「学校に関しては、彼(ファウチ氏)に全く同意しない」と付け加えた。(c)AFP