【5月11日 AFP】厳しい感染予防策を取っている米ホワイトハウス(White House)職員に新型コロナウイルス陽性者が出たなか、米政府の経済政策のトップ2人が10日、経済活動を速やかに再開する必要性があるとの見解を示した。

 見解を示したのはスティーブン・ムニューシン(Steven Mnuchin)財務長官とラリー・クドロー(Larry Kudlow)国家経済会議(NEC)委員長の2人。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の身の回りの世話をするスタッフとマイク・ペンス(Mike Pence)副大統領の報道官が、新型コロナウイルス検査で陽性になった。また国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ(Anthony Fauci)所長を含む米政府の同ウイルス対策チームの3人が、感染者と接触した可能性があるとして自己隔離に入ったと報道されている。

 ムニューシン財務長官は米FOXニュース(Fox News)の番組で、「経済を再開しないことには相当のリスクがあると考えている」「米国社会への永続的な経済的打撃はどういったものになるだろうか、ということを話しているところだ」と語った。

 クドロー氏は米ABCの番組「ディス・ウイーク(This Week)」で、米国で一般的な水準よりはるかに厳しい予防策を取っているホワイトハウスでさえ感染を防げないことが証明されたのに、どうやって経済活動を自信を持って再開できるのかと問われた。

 クドロー氏は、新型コロナウイルスに感染したのはホワイトハウスの施設で働く約500人のスタッフの「ごく一部」にすぎず、「具体的な人数は知らないが、相対的に非常に少ない」と述べた。

 トランプ氏とペンス氏、その他ホワイトハウスの多数の職員は毎日検査を受けている。だがトランプ氏とペンス氏は保護マスク着用を求める医療専門家らの指導に従わないことが多い。(c)AFP/Brian KNOWLTON