【5月13日 AFP】韓国当局は13日、首都ソウルのナイトクラブで発生した新型コロナウイルスの集団感染への対応を急ぐ中、匿名検査を導入したことで検査数が急増したと明らかにした。同国では、同性愛者らに対する偏見が対応を妨げかねないとの懸念が出ている。

 韓国はこれまで、新型ウイルス対策で世界の模範と目されてきたが、ソウルの繁華街・梨泰院(Itaewon)の複数のゲイクラブを含むナイトクラブで集団感染が発生し、新規感染者が急増。これを受けて当局は、今週予定されていた学校の再開を延期した。

 ソウル市関係者らの話では、13日午前の時点で、梨泰院での集団感染に関係する症例数は全国で合わせて119件に上っているという。

 保守社会の韓国では同性愛への偏見が根強く、ナイトクラブの客の多くは名乗り出ることに消極的だとみられている。

 こうした懸念に対応するため、ソウル当局は今週匿名検査を開始。市長は、先週の1日当たりの検査数が約1000件だったのに対し、12日には8300人以上が検査を受けたと発表。「匿名性を保証すれば、自発的な検査の奨励につながることが証明された」と報道陣に述べた。

 当局は、ナイトクラブの客の追跡に携帯電話の情報を活用しており、連絡がつかない人には警察が出動して対応に当たる予定だという。(c)AFP