【5月14日 CNS】カナダ・アルバータ州(Alberta)カルガリー市(Calgary)にあるカルガリー動物園(Calgary Zoo)は現地時間12日、新型コロナウイルス感染の影響を受け、中国からカナダに貸与されていたジャイアントパンダ「大毛(Da Mao)」と「二順(Er Shun)」が近日中に地元市民に別れを告げることとなったことを明らかにした。具体的な帰国日は公表されていないが、少なくとも元々の帰国予定日から3年近く前倒しとなる。

 動物園によると、この2か月余り、感染拡大の輸送業に対する影響は大きく、パンダの餌となる竹の供給ルートがつながらなくなった。航空便が大幅にカットされ、生竹の輸送が難しくなり、竹の品質に影響をもたらした。動物園はさまざまな対策を行ったが、情勢の変化はあまりにも大きく、動物園で制御可能な範囲を超えた。同時に、感染症の第二波のリスクを迎え、生竹の供給は一層難しさを増した。

 カルガリー動物園のクレメント・ランティエ(Clément Lanthier)CEOは、「パンダにとって最も安全な、場所は竹が豊富にあり、かつ入手しやすいところになる。非常に難しい決定をせざるをえなかった」と話す。

 中国の成都(Chengdu)から来た雄のパンダ「大毛」と、重慶(Chongqing)から来た雌のパンダ「二順」は、2013年3月にカナダに到着、元の計画では10年間ここで生活をすることとなっていた。初めの5年間はトロントで暮らし、この間、「二順」は人工授精によって15年10月13日に双子の赤ちゃん「加盼盼(Jia Panpan)」と「加悦悦(Jia Yueyue)」を出産、カナダで初めての双子パンダの誕生となった。18年3月、4頭のパンダはカルガリーに引っ越し、カルガリー動物園を訪れる見学者数は記録を塗り替えた。

 カルガリー動物園によると、同園の職員、ボランティア、支援者と世界各国からカルガリーを訪れた人々はこの2頭のパンダを忘れることは無いだろうとしている。動物園は現在、感染症対策として閉鎖しているので、パンダとのお別れはインターネット上でお願いしたいとのことだ。(c)CNS/JCM/AFPBB News