【5月12日 CNS】中日友好医院の湖北支援医療隊の段軍(Duan Jun)副隊長は9日、当日撮影した新型コロナウイルスに感染した武漢市中心医院(Wuhan Central Hospital)の易凡(Yi Fan)医師の写真を公開した。これより少し前、易医師は顔の皮膚の色が黒く変わったことで各界の注目を浴びたが、4月6日に撮影したものに比べ、皮膚の色は明らかに良くなっている。

 易医師ともう一人の新型ウイルスに感染した胡衛鋒(Hu Weifeng)医師には、顔の皮膚の変色が表れた。段副隊長によると、2人は重症のため治療にポリミキシンBという薬を投与された。この薬は色素の沈着を引き起こすため、皮膚が黒く変色するが、徐々に元に戻ると説明した。

 2人は1月末ごろに感染し、共に重症で急速に悪化。気管挿管を行い、さらに体外式膜型人工肺(ECMO)を使用した。

 中日友好医院の湖北支援医療隊が病棟を引き継いだ初日、2人に対しCT検査を行い、2日目には気管切開術を行った。検査の結果、2人には血流感染が認められ、血液中の感染源を除去する必要があった。そのためには全ての導管の交換が必要で、特にECMOの導管が重要だった。

「われわれは綿密な計画を作り、緊急措置案も準備したが、ECMOの導管を交換する中で想定外のことが起こり、胸腔(きょうこう)で大出血があり、ショック状態となった。華中科技大学(Huazhong University of Science and Technology)同済医学院付属同済医院は30分で手術室と執刀医を手配、救急治療を施し、患者は危機を脱した」と段副隊長は言う。ECMOの導管を交換した翌日、病状は安定し、3日目には易医師は目を覚ました。

 2人は急速に快方に向かった。易医師は14日目にECMOを外し、8日に治癒・退院した。胡医師は20日目に導管を外し、現在はリハビリ治療を受けている。(c)CNS/JCM/AFPBB News