【5月12日 AFP】米プロバスケットボール(NBA)、ヒューストン・ロケッツ(Houston Rockets)のダリル・モリー(Daryl Morey)ゼネラルマネジャー(GM)が昨年、香港の反政府デモを支持する内容のツイートをしたことでNBAの放送を取りやめていた国営中国中央テレビ(CCTV)は、その方針を緩めるつもりはないとの姿勢を示した。

 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で、NBAは他のスポーツと同様に活動停止状態に陥っているが、モリーGMが香港で起きた民主化デモを支持した昨年10月以降、CCTVでは試合が中継されない状況が続いている。

 CCTVは11日、中国版ツイッター(Twitter)「微博(ウェイボー、Weibo)」で局のニュースキャスターがコメント文を読み上げる映像と共に、「(試合を中継するという)うわさについて、われわれは本日の時点で、NBAとのいかなる接触や対話も行っていないと繰り返しておく」とつづった。

「統治権の問題に関するわれわれの態度は、厳格かつ強固でこれまで一貫しており、それが動じる余地はない。NBAはこの立場を理解しておく必要がある」

 モリーGMに対する中国での反発は、巨大市場を持つ同国におけるNBAの巨額な放映権やグッズ販売、さらにはスポンサー収益に暗雲をもたらしている。2月にはNBAのアダム・シルバー(Adam Silver)コミッショナーが、この問題をめぐるリーグの損失は「数億ドル」になると予測していた。

 中国との関係悪化がエスカレートする中、「NBAコミュニティーにおける表現の自由」を擁護していたコミッショナーは、CCTVがNBA中継を再開することを期待していると話していたが、その具体的な時期については言及していなかった。

 こうした中、中国ではIT大手の騰訊控股(テンセント、Tencent)が、双方の対立が勃発してからもNBAの中継を続行している。(c)AFP