【5月11日 AFP】ドイツで新型コロナウイルスの感染が再び拡大している可能性があることが、政府が10日に発表した公式統計で明らかになった。アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相は6日、ドイツが感染流行の「第1段階」を脱したと宣言し、各州は感染予防で課していた社会的制限の緩和を発表したばかりだった。

 公衆衛生を監視するドイツ国立ロベルト・コッホ研究所(RKI)は、1人の患者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す「R0(Rノート、基本再生産数)」が1.1に上昇したと指摘。この数値は、新型コロナウイルスに感染した10人が平均11人にウイルスを感染させていることを意味する。

 RKIは、 R0が1未満でなければ感染症をコントロールできているとは言えず、感染が終息に向かっているとの判断は下せないと警告した。

 ドイツでは6日の時点でR0は0.65だったが、6日以降、食肉処理場や高齢者介護施設でクラスターの発生が報告されている。

 RKIは、結論付けるには早すぎるが、新規感染者数を「今後数日間、注意深く観察する必要がある」と述べた。

 現在ほとんどすべての店舗や公園などは再開し、学校の再開も段階的に進められている。レストラン、スポーツジム、宗教施設に関しては、各州政府が独自に再開の判断を行っている。

 最新のデータ公表で再び警戒が広がっている。各地方当局は、1週間で住民10万人当たりの感染者が50人を上回れば、再び社会的制限を強めることで合意している。RKIは、過去数日間で少なくとも3つの地域でこの状況が発生したと明らかにした。(c)AFP/Yacine LE FORESTIER