【5月11日 AFP】新型コロナウイルスの感染が拡大して以降、米国では初の大規模スポーツ大会となる総合格闘技「UFC(Ultimate Fighting Championship)」が9日に米フロリダ州ジャクソンビル(Jacksonville)で行われ、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領も祝福した。

【関連記事】UFCが無観客で大会開催、ゲイジーがライト級暫定王者に

 物議を醸す開催の判断で、かつてない注目を集めた今回のUFCは、8日にジャカレ・ソウザ(Ronaldo Jacare Souza、ブラジル)と陣営2人に新型ウイルスの陽性反応が出て同選手の試合が中止になる事態もあったが、大会はそのまま実施された。

 ダナ・ホワイト(Dana White)代表は「素晴らしくうまくいった」「今夜の進行に満足している」とコメントした。

 アンダーカードの試合の合間には、2019年11月に大会を生観戦したトランプ大統領の録画メッセージも流れた。大統領は「スポーツリーグをもう一度やろう」「ソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)などやるべきことはあるが、私たちにはスポーツが必要だ。スポーツに戻ってほしい」と喜んだ。

 会場となった1万5000人収容のバイスター・ベテランズ・メモリアル・アリーナ(VyStar Veterans Memorial Arena)は無観客で、当初目指したニューヨークやカリフォルニア開催は、感染拡大に伴う生のスポーツイベントの制限により実現しなかった。それでも、新型ウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で米国経済の大部分が止まる中、フロリダの当局は総合格闘技を含めたプロスポーツを必要不可欠とみなした。

 ホワイト代表は「用意したシステムはもちろん機能している。ソウザの陽性が判明し、他は全員が陰性だった」「今週はあと2大会があり、合計で1100件以上の検査を行う」とソウザの一件の影響を否定し、大会が関係者の状況をしっかり把握していることの証明だと強調した。

 今週の2大会は同じ会場で13日と16日に行う。ホワイト代表は「それだけ多く検査をすればまた見つかるだろう」と陽性の関係者が増えることを予測している。(c)AFP