【5月9日 AFP】中国の保健当局幹部が9日、新型コロナウイルスの感染拡大が同国における公衆衛生システムの「欠陥」をさらしたと述べ、感染を予防・抑制するシステムを改善すべく、改革を進めていることを明らかにした。

 中国は国内および国外の双方で、昨年12月に同国中部の武漢(Wuhan)で最初に流行が表面化した際、ウイルスを過小評価し、感染拡大についての情報を隠蔽(いんぺい)したとの批判に直面。

 ただ中国政府は、適切なタイミングで世界保健機関(WHO)や諸外国と常に情報を共有してきたと主張している。

 だが9日、中国国家衛生健康委員会(NHC)の李斌(Li Bin)副主任は異例にも、医療システムにおいて十分な準備が整わず、同国の対応に欠陥を生じさせたと認めた。

 李氏は記者会見で報道陣に対し、新型コロナウイルスの感染拡大は、大規模な流行の予防および抑制システム、公衆衛生システム、(緊急事態への)対応という局面において中国が依然として欠陥を抱えていることを暴露した大いなる試練だったと述べた。

 その上で中国の保健当局は、将来においてより迅速かつ効率的にいかなる公衆衛生上の危機にも対応することを可能にする「中央集権的、一体的、能率的」な指揮系統を構築するとした。

 当局はまた、感染拡大をより正確に予測し、備えを強化するのに役立つビッグデータや人工知能(AI)、クラウドコンピューティングといった技術を用いることで、疾病対策および予防システムを「現代化」する方法を議論しているという。

 李氏はさらに、同委員会がまた、公衆衛生法の改正、国際交流の強化、保健分野における世界規模での管理への積極的な参加の方法についても検討していると話している。(c)AFP