【5月9日 AFP】新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が発生する中、患者数が減少を続けてプロスポーツが再開されている台湾では8日、スタジアムに観客を入れてプロ野球の試合が行われ、ファンが応援するチームに声援を送った。

 海外ではほとんど知名度がない台湾プロ野球(CPBL)はここ数週間、他に先駆けて新シーズンが開幕したことで一躍世界中から注目を集めており、これに追随しているのは韓国だけとなっている。

 これまで台湾ではウイルス感染防止のためにファンはテレビでの観戦を余儀なくされていたが、この日から再び現地観戦を楽しめるようになった。

 19歳の大学生はAFPの取材に対し、「台湾で最初に野球シーズンが開幕し、最初に観客が戻ってきたことをとても誇りに感じている。今季は毎試合来る予定を立てている」とコメント。台北(Taipei)市近郊で開催されたこの試合で、列の先頭を確保した30歳のファンは、「スタジアムに戻って来られて本当にうれしい。試合を観戦して実際に肌で雰囲気を感じることが大好きなんだ」と語った。

 一方、ドミニカ共和国出身の投手で富邦ガーディアンズ(Fubon Guardians)に所属するヘンリー・ソーサ(Henry Sosa)は、新北市(New Taipei City)で行われたセブンイレブン・ライオンズ(Uni-President 7-Eleven Lions)戦で、「ファンがいるとアドレナリンが少しばかり違ってくると思う。野球をプレーすることへの情熱が高まるし、もっと楽しく感じられるだろう」と話した。

 試合ではソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)が維持されており、各地の観客数は1000人までに限られていたほか、ファンはマスク着用と互いに一定の距離を保つことを義務付けられていた。

 この日は台中(Taichung)でも試合が行われ、大勢のファンを魅了した。(c)AFP