マダガスカルの薬草茶にWHOが警告、コロナへの効果は未確認
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【5月8日 AFP】マダガスカルのアンドリー・ラジョエリナ(Andry Rajoelina)大統領が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬として推奨している薬草茶について、世界保健機関(WHO)は7日、治験を実施するよう各国政府に勧告した。
「コビッド・オーガニクス」と呼ばれるこの薬草茶は、抗マラリア作用が確認されているヨモギ属の植物やその他の在来種のハーブから作られている。
ラジョエリナ氏は、この薬草茶を新型コロナウイルス感染症患者に与えれば10日以内に回復すると主張し、西アフリカやその他の地域にも分配したいと考えている。赤道ギニアとギニアビサウ、ニジェールは既に受け取っており、タンザニアなどの国々も関心を示している。
しかし、WHOはこの薬草茶に関する科学的研究は発表されておらず、その効果は検証されていないと繰り返し警告している。
WHOアフリカ地域事務局のマチディソ・モエティ(Matshidiso Moeti)局長は記者会見で、「効果を確認する試験が実施されていない製品を採用することついて、各国に警告し、助言する」と発言。マダガスカルに対して「治験を経てから」この薬草茶を採用するよう要請した。
モエティ氏によると、アフリカ各国政府は2000年、「伝統的な治療法」について、医薬品と同じ治験を実施した上で用いると約束していたという。
「役立つものを見つけようとするニーズや衝動は理解できる」とモエティ氏は言い、「しかし、各国政府が約束した科学的プロセスを実施するよう強く奨励したい」と述べた。
ラジョエリナ氏は7日、マダガスカル東部の都市トアマシナ(Toamasina)で行われた新型コロナウイルス検査のキャンペーン運動で、この薬草茶を擁護した。
「WHOは、ヨモギ属の植物がコロナウイルスの治療につながる可能性があると示唆している」とラジョエリナ氏は述べ、薬草茶の治験を実施すると約束した。(c)AFP/Philippe Alfroy