【5月7日 AFP】ベネズエラのニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領は6日、米国を後ろ盾とする野党勢力の支援する傭兵(ようへい)集団によるマドゥロ政権転覆の企てを阻止した際に逮捕した米国人2人について、自白動画を公開し、ベネズエラ国内で裁判にかけると発表した。

 マドゥロ大統領は国営テレビで、ルーク・デンマン(Luke Denman)容疑者(34)とアイラン・ベリー(Airan Berry)容疑者(41)のパスポートを提示。「2人は有罪だ。既に自白しており、現行犯逮捕され、わが国の司法長官と民事裁判所によって裁かれる。その司法プロセスは完全に保証され公正なものとなる」と述べた。

 米メディア報道によると、米軍は2人が米治安部隊にかつて所属していたことを認めている。

 マイク・ポンぺオ(Mike Pompeo)米国務長官は6日、「あらゆる手段を使って2人を連れ戻す」と表明した。ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は転覆未遂事件への米国の関与を一切否定しており、米政府はマドゥロ大統領が「偽情報キャンペーン」を開始したと非難している。

 マドゥロ大統領は6日のテレビ演説で、トランプ氏が今回の転覆未遂を直接的に支援したと改めて非難し、傭兵部隊の訓練のために元米軍医のジョーダン・グドロー(Jordan Goudreau)氏と契約したと主張した。

 マドゥロ大統領が公開した動画では、デンマン容疑者が転覆作戦のためグドロー氏に雇われたと語っている。作戦では、ベネズエラの首都カラカスにある国際空港の掌握を目指していたという。

 カナダ生まれでイラクとアフガニスタンに従軍経験のあるグドロー氏は、別の動画で転覆作戦の存在を認め、自身が運営する民間警備会社「シルバーコープUSA(Silvercorp USA)」がベネズエラの野党勢力と契約したと主張。先に暫定大統領就任を宣言したフアン・グアイド(Juan Guaido)国会議長の署名した契約書だとする書類を提示した。

 グアイド氏の広報チームはこの動画が公開された直後、シルバーコープUSAとの合意事項は一切ないと反論している。(c)AFP/Margioni BERMÚDEZ