【5月4日 AFP】ベネズエラ政府は3日、ニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領の左派政権の転覆を狙った「テロ行為」をもくろんで海岸から侵入しようとしたコロンビアからの「傭兵集団」を阻止し、8人を殺害したと発表した。一方、コロンビア政府は一切の関与を否定している。

 ネストル・レベロル(Nestor Reverol)内相によると、「傭兵集団」は首都カラカス北方のラグアイラ(La Guaira)州マクト(Macuto)の海岸に高速艇で近付き、未明に上陸しようとしたが、ベネズエラ軍と警察の特殊部隊が撃退した。現在、陸海空から大規模な残党の捜索を行っているという。

 レベロル氏は、侵入作戦に使用された高速艇とライフル10丁、マシンガン2丁は、2019年4月にベネズエラ軍の兵器庫から盗まれたものだとしている。

 また、ベネズエラ与党・統一社会党(PSUV)のディオスダド・カベジョ(Diosdado Cabello)副党首は、今回の衝突で8人を殺害したほか「2人を拘束した」と発表。襲撃は、米政府と米麻薬取締局(DEA)が「画策」し、米国の忠実な同盟国であるコロンビアが支援した作戦だったと非難した。

 カベジョ氏によれば、死者のうち1人はベネズエラ軍の退役将軍でマドゥロ政権を批判しているクリベール・アルカラ(Cliver Alcala)氏とつながりのある元ベネズエラ陸軍将校ロベルト・コリーナ(Roberto Colina)氏で、拘束したうちの1人はDEA捜査官だという。

 アルカラ氏は3月、コロンビアで米DEA捜査官らに投降し、マドゥロ氏を含む10人余りと共に麻薬密売罪で起訴された後、米ニューヨークに移送されたことが報道されていた。

 コロンビアのイバン・ドゥケ(Ivan Duque)大統領は、マドゥロ氏を「独裁者」だと公然と非難しており、両国は昨年から国交を断絶している。(c)AFP