【5月6日 AFP】欧州連合(EU)は6日、今年のユーロ圏経済について、前年比で7.7%という大幅な縮小の見通しを発表した。新型コロナウイルスの流行がもたらした壊滅的な打撃により、ユーロ圏が危機にひんする恐れがあると警告している。

 欧州委員会(European Commission)はこれを「歴史的な規模のリセッション(景気後退)」と表現。来年には6.3%の回復が見込めるとしながらも、欧州全体で均一な回復との実感にはつながらないとみられる。

 経済的に余裕のあるドイツとオランダには、自国の経済回復を加速させる力がある一方、イタリアやスペインなどは取り残されることも懸念され、回復の不均一性は喫緊の課題となる。

 欧州委は、共通の救済計画を何らかの形で講じない限り、EUとユーロ圏の崩壊につながりかねないと危機感を示している。

 パオロ・ジェンティローニ(Paolo Gentiloni)欧州委員(経済担当)は「この格差は、単一市場とユーロ圏の脅威になる。しかし欧州全体で確固たる共同行動を起こせば、軽減され得る」と訴えた。(c)AFP/Alex PIGMAN