【5月4日 AFP】新型コロナウイルスにより欧州で最大の被害を受けているイタリアで4日、世界で最も長く続いている封鎖措置の緩和が始まり、市民には9週間ぶりとなる外出が認められた。

 経済的にも精神的にも壊滅的ダメージを受けた同国の経済活動を再開するために、400万人以上がこの日、工事現場や工場に戻った。うち72%が男性と推定されている。

 首都ローマ各地でも、工事の騒音などが聞こえた。カフェではテークアウト品の営業が許可され、古代の神殿「パンテオン(Pantheon)」の前で男性らがエスプレッソを飲む姿も見られた。

 とはいえ、封鎖措置の緩和は部分的にとどまっている。バーをはじめ、アイスクリーム店も引き続き閉店。公共交通機関の利用はなるべく避けるよう求められ、屋内の公共施設ではマスクの着用が義務付けられている。

 児童・生徒850万人は、9月までは登校できないとみられている。気候は良くなってきているが、ピクニックや、ビーチで週末を過ごすことも禁止。美術館や小売り店、図書館は今月18日まで閉鎖される予定で、教会でのミサや劇場などの再開日程は決まっていない。

 バーやレストランの営業再開は、テークアウト品の販売を除き、多くの州で早くて来月になる見通し。また外出の際には、正当な理由のある移動であることを示す証明書を引き続き携帯しなければならない。

 イタリアは新型ウイルスの感染拡大を受け、欧米諸国で最初に封鎖に踏み切った。これまでに欧州最多の2万8884人が死亡、さらに数千人の死亡が懸念されている。(c)AFP/Ella IDE and Dmitry ZAKS