【5月6日 AFP】ブラジル・アマゾン(Amazon)熱帯雨林地帯の最大都市マナウス(Manaus)の市長は5日、新型コロナウイルス対策への支援を求めて世界各国の首脳に書簡を送った。アマゾナス(Amazonas)州の州都であるマナウスは、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けており、市の医療システムは崩壊寸前にある。

 アルトゥール・ビルジリオ(Arthur Virgilio)市長は、安倍晋三(Shinzo Abe)首相やドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領、ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相やフランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領ら21か国の首脳に対し、資金と医療機器の援助を求めるビデオメッセージと書簡を送った。

 ドイツの4倍以上もの面積を有するアマゾナス州には集中治療室が1か所にしかなく、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による死者はこれまでに649人確認されている。マナウス市も大打撃を受け、複数の病院では遺体を冷凍トラックに保管する状況に陥っている。

 ビルジリオ市長はビデオメッセージで、マナウス市はその原生林の96%を維持することで地球上の重要な役割を果たしてきたと述べ、「今はその見返りとして、医療従事者や人工呼吸器、保護用品など、この大森林を守ってきた人々の命を救えるものなら何でも必要としている」と訴えた。

 同市長は2日にもスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリ(Greta Thunberg)さんに対し、自身の影響力による支援を求めていた。

 アマゾン熱帯雨林地帯は、人口密度は高くないものの、外部からの疾病に特に脆弱(ぜいじゃく)な先住民族が暮らしており、公衆衛生インフラも限られている。

 中南米地域で新型コロナウイルスの流行が最も深刻なブラジルでは、これまでに7921人が亡くなっている。(c)AFP