【5月6日 AFP】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の最初のピークを迎えた国々が、ロックダウン(都市封鎖)措置の一部解除に踏み切っている。ソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)が緩和される中、感染の「第2波」をいかに回避するかに注目が集まっている。

 欧州で最も深刻な被害が出たイタリアとスペインは、約2か月ぶりに屋外での運動を許可し始め、米国の複数の州は企業の操業再開を許可。さらにフランスは、11日に外出制限の解除を予定している。

 対人距離の確保が感染曲線を平たん化し、医療制度を立て直す貴重な時間を稼ぐことが分かってきている。一方でこれは、感染し免疫を獲得した人の割合がごくわずかになるということも意味する。

 仏パスツール研究所(Pasteur Institute)は、同国で5月11日までに新型コロナウイルスに感染する人の割合は全人口の約6%のみと予測している。国内で特に感染が集中した地域ですら、「第1波」の感染者は25%以下とみられている。

 つまり有効なワクチンなしでは、すぐには正常の生活に戻れるとは考えられないと専門家らは指摘している。

 仏ウイルス学者アン・ゴファール(Anne Goffard)氏はラジオ局フランス・アンテル(France Inter)で、第2波は「早くて8月の終わり」に起こる可能性があると述べている。

 専門家らは、ロックダウンが緩和されると感染者が再び急増する可能性があるとの意見でおおむね一致している。だが、第1波と比較した場合、第2波がどのようになるかについては議論が起きている。

 特にドイツと米国をはじめとする国々の一部医療当局者は、第2波の感染者は今年3〜4月のピーク時よりも増加すると警鐘を鳴らしている。それに対し、個人の行動が変化したことで新たな感染拡大は緩やかなものになる可能性があると楽観する意見もある。

 イタリア・ミラノに拠点を置く呼吸器専門家のピエラキーレ・サントゥス(Pierachille Santus)氏は、外出制御措置のおかげで第2波は「おそらく第1波よりは小規模になるだろう」と述べている。