【5月5日 AFP】(更新)フィリピンの民放最大手ABS-CBNは5日、滞っていた事業免許の認可更新をめぐり、放送停止を余儀なくされた。これを受けて、当局が報道の自由を抑圧しているとする批判が改めて上がっている。

 同局のマーク・ロペス(Mark Lopez)会長は、映像が消える直前に視聴者らに対し、「閉鎖はわれわれにとってつらいことだが、われわれのサービスを重要と考える何百万人もの国民にとってもつらいことだ」と述べた。

 ラジオとテレビ放送、またインターネットの巨大企業であるABS-CBNの25年間の事業免許は、4日に失効。

 当局者らは先に、同局には暫定的に事業が許可されると保証していたが、国家通信委員会(National Telecommunications Commission)が5日になって、失効を理由に放送停止命令を出した。

 ABS-CBNが2016年にロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領と衝突して以来、同大統領は同局を繰り返し批判。事業免許に関する議会の審議も滞っていた。

 ドゥテルテ大統領は、自身の政策に批判的なメディアと衝突することで悪名高く、同国における報道の自由が侵害されているとの懸念を招いている。(c)AFP