【5月4日 AFP】先週末の米ニューヨーク市は好天に恵まれ、多くの人が海岸や公園に詰め掛け、新型コロナウイルスのソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)のガイドライン違反で罰金を科された。ニューヨーク市警(NYPD)が3日、明らかにした。

 NYPDのダーモット・シェイ(Dermot Shea)本部長は記者団に対し、NYPDが2日に出した出頭命令は51件で、その大半はソーシャル・ディスタンシング違反だったと述べた。米国の新型コロナウイルス感染の中心となっている同市はこの日、気温が21度にまで上がった。

 ニューヨーク市は3月半ばから閉鎖措置が取られており、運動のために外出する際は、他人と6フィート(約2メートル)の距離を保ち、近くに人がいる場合はマスクの着用が義務付けられている。

 これに違反すると1000ドル(約10万7000円)の罰金が科される。雨がちだった週が終わり、マンハッタン(Manhattan)のセントラルパーク(Central Park)やクイーンズ(Queens)地区ファーロッカウェー(Far Rockaway)のような人気スポットに詰め掛けた多くの人が罰金を払った。

 ニューヨーク州のアンドルー・クオモ(Andrew Cuomo)知事は、住民が退屈しているのはよくわかるが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者が減っていることや、他の州が経済活動を再開していることを見て「偽りの安心感」を得るべきではない、と訴えた。 

 新型コロナウイルスの流行によりニューヨーク州では約2万人が死亡している。クオモ知事は、流行の終息には程遠いとして、「マスクが着けられないというのは冒涜(ぼうとく)だ。看護師、医師、最前線で働く人々、交通機関で働く人々に対する冒涜だ」と述べた。(c)AFP