■非核化交渉への影響は?

 北朝鮮の最高指導者である金氏の権威は朝鮮労働党と軍に及び、すべての主要決定事項は同氏の承認を必要とする。

 北朝鮮の核兵器をめぐる米朝協議は、金氏とドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の間で3度の首脳会談が行われたものの停滞。このような状況下で金氏は公の場から姿を消した。

 金氏が政治的能力を失った場合、または死亡した場合には、この交渉過程は不確実性を増すことになっただろう。

 専門家はさらに、その場合には混沌(こんとん)とした権力闘争を招き、難民が北朝鮮から中国へと脱出しただろうと分析。それは、北朝鮮の外交的な後ろ盾であり、主要な貿易相手国である中国政府が長らく恐れていることだ。

 韓国の首都ソウルにある梨花女子大学(Ewha Womans University)のレイフエリック・イーズリー(Leif-Eric Easley)教授はAFPに対し、「金氏の人物像や家族の来歴、そして北朝鮮の体制の構造により、金氏の健康状態は国の安定性や外交政策の主要変数となっている」と話した。