【5月2日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)のマネジング・ディレクターを務めるロス・ブラウン(Ross Brawn)氏は1日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で今季のスケジュールが大打撃を受けている中で、サーキットが遠隔地にあるオーストリアGP(Austrian Grand Prix 2020)をシーズン開幕戦にするのは合理的な選択肢との認識を示した。

 今季のF1は第1戦オーストラリアGP(Australian Grand Prix 2020)がレースの数時間前に中止された3月から停止状態となっており、主催者側がシーズン開幕を目指している中で、オーストリア・シュピールベルク(Spielberg)のレッドブル・リンク(Red Bull Ring)において、7月5日と12日の2週連続でレースを開催する案が浮上している。

 ブラウン氏はポッドキャスト番組のF1ネーション(F1 Nation)で、「業務上の課題の一つは、全員が検査を受けてクリアな状態でレース環境に入ることだ」「環境を十分に制御して全員の安全が確保できるレースを、早い段階で選び出すこともかなり難しい」とした上で、「オーストリアはその点で非常によく適している。サーキットの隣には地元の空港があり、チャーター機の乗り入れが可能だ。大都市にもそれほど近くない」と語った。

「周辺には素晴らしいインフラが整っている」「例えば、モーターホームを設置しなくても、サーキットにはケータリング施設が完備されている」「そこには全員を収容することが可能なので、ひとたびそこに行けば次の週にもレースをする態勢が整っていると言える」

 先日には、F1のチェイス・キャリー(Chase Carey)最高経営責任者(CEO)が、オーストリアGPでのシーズン開幕を目指していると表明。この直前には、6月28日に決勝が行われる予定だったフランスGP(France Grand Prix 2020)のキャンセルが決まり、中止または延期となった今季10番目のGPとなった。

 オーストリアGPに関しては先月29日、無観客という条件のみで開催が認められると、同国の労働・社会問題・保健・消費者保護相から主催者に通達があった。

 同日には、8月2日にハンガロリンク(Hungaroring)で予定されているハンガリーGP(Hungarian Grand Prix 2020)が、衛生上の危機に対応するために観客を入れずに開催する方針を明らかにした。これは、7月19日にシルバーストーン(Silverstone Race Circuit)で行われる予定の英国GP(British Grand Prix 2020)の例に倣ったものとなっている。(c)AFP