【5月1日 AFP】イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)などでFWとして活躍したアンディ・コール(Andy Cole)氏が、腎不全を患っていたという自身の経験から、腎移植と患者の福祉の改善を促進すべく研究基金を設立した。

 アレックス・ファーガソン(Alex Ferguson)氏が率いていたユナイテッドで数々のタイトルを獲得したコール氏は、アンバサダーとして参加したクラブのベトナムツアーでウイルスに感染し、2015年に腎不全を患った。

 3年前にはドナーであるおいから腎臓を移植する手術を受け、一命を取り留めた。

 新型コロナウイルスの影響で現在は隔離措置を取っている48歳のコール氏は、腎移植と患者の福祉の改善に関する研究に特化した団体「英国キドニー・リサーチ(Kidney Research UK)」が運営するアンディ・コール基金(Andy Cole Fund)を通じて、人々を助けたいと明かした。

 イングランド・フットボールリーグ1(3部)のサウスエンド・ ユナイテッド(Southend United)でアシスタントコーチを務めるコール氏は、「私はサッカーができるほど精神的に強い人間だが、それ(腎不全の闘病)はこれまでで向き合ってきた中で最も難しい闘いだった」とコメントした。

「誰にも、かつての私のように苦しんでほしくはない。精神面での闘いは身体面の問題よりも重大。皆さんの心は世界で最も強力なもの」

「今の私の目標は腎臓病を患ったり、腎移植をしたりした人の生活をより良いものにするための優れた手段を見つけ出すこと。誰かを助けられるなら、ただそれをするだけ」

 アンディ・コール基金は今後3年の目標額を最低でも50万ポンド(約6600万円)に定めており、精神面の健康や福祉を改善することが中心的な目標の一つとなっている。

 ニューカッスル・ユナイテッド(Newcastle United)やマンチェスター・シティ(Manchester City)でもプレーしたコール氏は、プレミアリーグで5度の優勝を経験。ユナイテッドでは欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)を制し、FAカップ(FA Cup)も2度制覇している。(c)AFP