【5月1日 AFP】(更新)中国政府の宣伝活動を担う主要機関紙の記者だった人物が、中国共産党を攻撃した罪で禁錮15年の判決を受け、収監されたことが分かった。中部湖南(Hunan)省の裁判所が4月30日、インターネット上に発表した。

 陳傑人(Chen Jieren)被告は、「騒乱挑発罪、恐喝罪、不法経営罪、贈収賄罪」で有罪判決を受けたとされる。

「騒乱挑発罪」は、中国当局が体制批判を行った人物に対してよく用いる罪名。陳被告は、共産党機関紙の人民日報(People's Daily)や北京青年報(Beijing Youth Daily)、北京日報(Beijing Daily)で記者として働いていたという。

 中国政府は折しも新型コロナウイルス対応をめぐり、パンデミック(世界的な大流行)を防ぐことのできた重要な情報を隠蔽(いんぺい)していたのではないかと国際社会から批判されている。

 裁判所の発表によると、陳被告は「ブログや(メッセージアプリ)微信(WeChat、ウィーチャット)の公開アカウントやコメント欄など、インターネット上の発信プラットフォーム」に「否定的」な内容の「虚偽情報」を投稿し、「法的アドバイスを装った誇大な宣伝」を行っていたとされる。

 被告は元妻や他3人と共に「邪悪な勢力」の一員として活動し、730万元(約1億1000万円)の事業利益を不法に得たと、裁判所の文書は述べている。

 しかし、中国の人権監視団体「チャイニーズ・ヒューマン・ライツ・ディフェンダース(Chinese Human Rights Defenders)」は、判決は「明らかに、微信などのソーシャルメディア上での政治的な発言を罰するものだ」と指摘し、即時かつ無条件の釈放を求めた。

 同団体によると陳被告は、人民日報などの共産党機関紙で働いていたが解雇され、以降は微信や微博(ウェイボー、Weibo)などのソーシャルメディアで評論や記事を発表していたという。(c)AFP