【5月1日 AFP】男子テニスの新星、フェリックス・オジェ・アリアシム(Felix Auger-Aliassime、カナダ)は30日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で中断されたシーズンが再開できると期待している一方で、これからどうなるのか予測するのは「難しい」との認識を示した。

 今季の男女ツアーが少なくとも7月13日になるまで中断されている中、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2020)は第2次世界大戦(World War II)以降では初の中止が決まった。

 男子世界ランクのトップ20では最年少の19歳であるオジェ・アリアシムは、「(シーズンが中止になるか)話すのは難しい」とすると、「毎日うわさや推測ばかり耳にするけれど、それはあくまでもうわさであり推測だ。もちろん、プレーできることを望んでいる」「だけど、今は誰にとっても難しい。どんな立場や地位の人間であろうとも、シーズンの今後に関する明確で確固たる見通しは持っていない」とビデオ会見で語った。

 母国がロックダウン(都市封鎖)となって以降、オジェ・アリアシムは家族と一緒にモントリオールで過ごしているが、来月にはモナコに渡航してトレーニングが再開できることを望んでいる。今季はATPツアーで2度ファイナリストになり、いずれも敗れて決勝での通算戦績は5戦全敗となったものの、好調なシーズンスタートを切っていた。

「不確定要素や疑問がたくさんある」「7月中旬まで大会は行われないなど、現時点において分かっている範囲でやっていくようにしている」「モチベーションの問題はない。自分が目標にしている場所や取り組みたいことは分かっている。それは本当に何の迷いもない。難しいのは、競技に関することが完全に不透明であることだ」

 また、最近になって、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるシーズン中断を受けて、トップ選手が下位ランクの選手に財政支援を行うべきかという問題が物議を醸している。

 先日にはノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)やロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)らと協力して経済的困難に直面している選手たちを救済する支援策を打ち出した。しかし、世界ランク3位のドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)は、「なぜそういう選手に自分がお金をあげなくてはいけないのか分からない」と疑問を呈した。

 オジェ・アリアシムは、2部や3部レベルのツアーでプレーする若手選手は支援を受けるべきとの考えを示し、「とても良いアイデアだ。ツアー参戦を開始したばかりの同年代の仲間がいて、彼らは懸命に努力する中で厳しい状態に置かれている」「自分も支援に参加することにかなり興味がある」と語った。(c)AFP