【5月1日 AFP】男子テニスのアンディ・マレー(Andy Murray、英国)は30日、ビデオゲーム大会のマドリード・オープン・バーチャル・プロ(Mutua Madrid Open Virtual Pro)準決勝で、相手がネット接続の問題に見舞われたことに助けられるなどして優勝を果たした。

 マレーは今回のオンライントーナメントの決勝でベルギーのダビド・ゴフィン(David Goffin)を下したが、ドラマが起きたのはその前に行われたディエゴ・シュワルツマン(Diego Schwartzman、アルゼンチン)との準決勝だった。

 この試合中には、マレーのウイナーにもかかわらずポイントが相手に与えられ続けるという不具合が発生。マレーが「こんなの狂気の沙汰だ」と叫ぶ中で、シュワルツマンが棄権した。

 大会主催者はツイッター(Twitter)で、「ディエゴ・シュワルツマン側の接続が準決勝における正常な戦いを妨げるという技術的な問題が生じたため、アンディ・マレーがマドリード・オープン・バーチャル・プロの決勝に進出するべきだということで双方が合意した」と説明した。

 実際のマドリード・オープン(Mutua Madrid Open)で通算2度の優勝を誇り、英ロンドンを拠点としているマレーに対し、シュワルツマンはマイクを通して、「自分はファイナル進出にふさわしくない。君が決勝でプレーしてくれ」と呼びかけた。

 一方、女子の決勝では、昨年のマドリード・オープンでタイトルを獲得したオランダのキキ・ベルテンス(Kiki Bertens)が、フランスのフィオナ・フェロ(Fiona Ferro)を下して優勝した。

 これでマレーとベルテンスは優勝賞金15万ユーロ(約1758万8000円)を獲得。金額の大半は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)によるシーズン中断で経済的に苦しんでいる下位ランク選手の支援に充てられる。

 今季のテニスは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大流行に直面し、シーズンは早くても7月13日になるまで再開されない見通しとなっている。(c)AFP