【4月30日 AFP】米電気自動車(EV)大手テスラ(Tesla)のイーロン・マスク(Elon Musk)最高経営責任者(CEO)は29日、新型コロナウイルス対策として実施されている外出制限を「独裁的」で「非道」な行為と呼び、個人の自由を侵害し、経済に打撃を与えることになると非難した。

 富豪で起業家のマスク氏はテスラの収支報告での演説で、生産停止を余儀なくされたとして、米カリフォルニア州が出した外出制限令を批判。今も生産再開時期が気掛かりだと明らかにした。

 宇宙開発企業スペースX(SpaceX)の創設者でもあるマスク氏は外出禁止令について、「人々を強制的に自宅に閉じ込めている。あらゆる憲法上の権利に反しており、恐ろしく、間違ったやり方で人々の自由を侵害している。人々が米国に来たのも、この国を築いたのもこのためではない」と非難。

 さらに、「(外出制限は)テスラだけでなく、どの企業にとっても大きな、大きな打撃となるだろう。人々はこの嵐を乗り切るだろうが、乗り切れない小企業も多いだろう」と指摘した。

 マスク氏は、「人々はこれに憤慨するだろう」「彼らは自宅にとどまることを許されるべきで、外出を強制されるべきではない。しかし、自宅から出てはならず、外出すれば逮捕されるというのは、独裁的な行為だ。これは民主主義でも、自由でもない。人々に素晴らしい自由を返せ」と訴えた。

 米国をはじめとする各国の当局は、外出制限の緩和に警鐘を鳴らしている。(c)AFP