【4月30日 AFP】米小売り・IT大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)は29日、同社が世界で展開する五つの通販プラットフォームで模造品販売が横行しているとの理由で、知的財産権保護に関する米通商代表部(USTR)の調査対象業者リストの最新版「2019 Notorious Markets List(悪名高い市場リスト)」に記載された。

 USTRは毎年このリストを見直しており、今回はアマゾンがカナダ、英国、フランス、ドイツ、インドで運営しているプラットフォームも記載された。USTRの報告書によると、これら五つのプラットフォームで模造品が多いと知的財産権所有者から苦情が寄せられているという。

 例えば英国では、消費者、知的財産権所有者のいずれにとっても販売者の身元を確認するのが困難な上、アマゾンが販売者を十分に審査していないため誰でもアマゾンであまりにも容易に模造品を販売できる状態になっていると報告書は指摘している。

 報告書は、アマゾンの模造品取り下げ手順は「アマゾンのブランド保護プログラムに参加している権利所有者にとっても時間がかかり過ぎ負担が大きい」ことも指摘した。

 アマゾンはUSTRの指摘に強く異を唱え、報告書は同社および同社の創業者ジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)氏を公然と非難しているドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の政権による「純粋に政治的な行為」だと反論した。

 同社の広報担当者は電子メールで、「アマゾンは悪意ある者や、当社の店舗における模造品販売を未然に発見して止めるため、先を見越した技術や手順に相当の投資をしている」と述べた。

 このリストには商品の模造を助長しているとみられる販売業者が記載されるが、USTRは「違反の法律上の事実認定」ではなく、何らかの強制的な措置につながるものでもないとしている。(c)AFP