【4月30日 AFP】サッカー界のレジェンドで、アルゼンチン1部リーグのヒムナシア・ラ・プラタ(Gimnasia y Esgrima La Plata)を指揮するディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)監督は29日、「神の手」により新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が収束し、日常生活が再開することを願った。

 アルゼンチンサッカー協会(AFA)は先日、今季のリーグ戦を打ち切ると同時に、降格クラブを無しにすると発表。これにより直近3シーズンのポイントで最下位のヒムナシアは1部にとどまる形となった。

 これを受けてマラドーナ氏は、アルゼンチンが優勝した1986年のW杯メキシコ大会(1986 World Cup)での自身のハンドによる得点を引き合いに出し、「本日われわれの身にこういうこと(1部残留)が起きて、多くの人が新たな神の手だと言っている」と話した。

「だが今、私がその手に求めているのは、人々が健康で幸福なそれぞれの生活に戻れるようにパンデミックを終わらせることだ」

 当時アルゼンチン代表のキャプテンだったマラドーナ氏は、議論を巻き起こしたメキシコ大会の自身のゴールは、「神の手」によるものだったと発言し、物議を醸した。この得点によりアルゼンチンは準々決勝でイングランドを2-1で下し、最終的に優勝を果たしている。

 また、アルゼンチンの日刊紙クラリン(Clarin)に対しマラドーナ氏は、シーズン打ち切りによって降格を免れたことについて、「われわれが望んでいた幕引きではない。ピッチ上で自分たちの力で生き残ることができると確信していた」と話している。

 昨年9月に低迷するヒムナシアの指揮官に就任した59歳のマラドーナ氏は、アルゼンチンの各クラブは今後数年にわたって財政難に見舞われるとコメント。「来たるべき事態に一致団結して対峙(たいじ)しなければならないことが理解を得られるよう願っている。サッカーのためにね。この戦争では誰も(映画の)ランボー(Rambo)にはなれない。なぜならランボーでさえも歯が立たないからだ」 (c)AFP