【4月30日 AFP】米政府は29日、新型コロナウイルスの流行により、同国の2020年1~3月期の国内総生産(GDP)は前期比で4.8%減少したと発表した。ドイツ政府も同日、同国は過去最悪の景気後退に陥るとの見通しを表明。新型ウイルスによる経済的影響が深刻化する中、封鎖措置の緩和と経済損失の抑制への圧力が世界各国で強まっている。

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 米GDPの落ち込みは2008年の金融危機以来の大きさとなり、世界一の経済大国で10年にわたり続いていた景気拡大に終止符が打たれた。

 米国のコロナウイルス感染者数は100万人を突破。死者数は世界最多の5万8000人余りで、ベトナム戦争(Vietnam War)での米国人犠牲者の数を超えた。11月の大統領選で再選を目指すドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は、各州にウイルス対策の緩和を要求している。

 一方、欧州の大国ドイツのペーター・アルトマイヤー(Peter Altmaier)経済・エネルギー相は、同国が1949年のドイツ連邦共和国(西ドイツ)設立以来「史上最悪の景気後退を経験するだろう」と警鐘を鳴らした。

 ドイツを含む欧州の多くの国では、新型ウイルス流行対策として導入された制限措置の緩和が進んでいる。独首都ベルリンでは29日から、国内の他の地域と同様、店舗内でのマスク着用が義務付けられた。マスクはバス、電車、路面電車ですでに着用が義務化されている。(c)AFP