【4月29日 AFP】新型コロナウイルスの流行を受けて延期されていた、中国の全国人民代表大会(National People's Congress、全人代、国会に相当)が、来月22日に開幕する。国営メディアが29日、明らかにした。中国指導部が、ウイルス流行の封じ込め成功に自信を強めていることを明示する動きだ。

 中国政府は、新型ウイルス感染拡大対策に追われていた2月に、文化革命(Cultural Revolution)以後初めてとなる全人代の延期を発表していた。

 来月の全人代は、流行をほぼ封じ込めたとする指導部の自信を強調するものになる。

 国営新華社(Xinhua)通信は、全人代を運営する常務委員会が、中国国内における同ウイルスの感染拡大状況は「着実に改善」されており、「平時の経済活動や社会生活が徐々に再開しつつある」として、「全人代の開催に必要な条件が整った」と発表したと伝えている。

 全人代は1978年から毎年開催され、過去20年間は決まって3月5日に開幕していた。

 流行の中心地だった湖北(Hubei)省に課せられた大半の移動制限は、これまでに解除されている。しかし中国各地から首都北京に入る人々に対しては、依然厳しい防疫措置が講じられている。

 全人代には、全国から3000人近い代表者が集まるが、この防疫措置の影響については明らかになっていない。

 香港を拠点にする政治アナリストのウィリー・ラム(Willy Lam)氏は「これは力の誇示だ」との見方を示している。

 またラム氏は、今年第1四半期の国内総生産(GDP)が前年同期比で6.8%減となったことを受けて、国民を安心させる狙いもあるとみている。(c)AFP/Laurie Chen and Jing Xuan Teng