【4月29日 AFP】中国政府は28日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)への対応をめぐる国際社会からの批判に反撃し、「しらじらしいうそ」をついていると米国の政治家たちを非難した。

 新型ウイルスは昨年末、中国中部・武漢(Wuhan)で最初に発生し、その後、世界中に拡散した。米国とオーストラリアをはじめとする諸国は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がパンデミックへと至った経緯について調査を求めてきた。

 しかし、中国政府は28日、諸国からの批判に対し反撃に出て、米国が中国を攻撃するのは、新型ウイルス流行への自国の対応のまずさから注意をそらすためだと主張した。

 中国はさらに、米豪などが求める調査が実施されれば、中国人は報復として輸入などのボイコットを展開するかもしれないとけん制した自国の駐オーストラリア大使を擁護した。

 中国外務省の耿爽(Geng Shuang)副報道局長は記者会見で、「米国の政治家たちは繰り返し事実を無視し、しらじらしいうそをついてきた」「彼らの目的はただ一つ。感染症の予防・抑制措置において対応に不備があった自分たちの責任を矮小(わいしょう)化し、世間の注目をそらすことだ」と述べた。

 さらに同氏は、米国の政治家は「自分たち自身の問題を省みて、新型ウイルスの流行をできる限り早く封じ込める方法を見つける」べきだと主張した。

 中国はまた、オーストラリアからの圧力にも直面している。中国の成競業(Cheng Jingye)駐豪大使が、感染拡大の発端について独立調査を強く求めることは「危険」だと述べ、そうした調査が実施されれば中国人はオーストラリア製品を買ったり、オーストラリアの大学へ行ったりすることをボイコットするかもしれないと露骨に警告したことに対し、フランシス・アダムソン(Frances Adamson)豪外務・貿易省次官は、同大使を呼び出し発言についての説明を求めた。

 しかし、中国政府は28日、「駐豪中国大使による発言は、オーストラリア側の最近の誤った主張に反応したものだ。オーストラリアの主張を受けて中国国民の間には不満が広がっており、二国間関係にも影響する可能性がある」「発言のどこが間違っているのか?」などと述べ、同大使を強く擁護した。(c)AFP