【4月29日 AFP】フランスのエドゥアール・フィリップ(Edouard Philippe)首相が28日、新型コロナウイルスの影響でプロサッカーやラグビーといったスポーツは秋まで再開できないと話し、両スポーツのシーズンはこのまま打ち切りになる可能性が急速に高まっている。

 フィリップ首相は同日の議会で、国内のロックダウン(都市封鎖)を5月11日から段階的に緩める案を明かしたが、スポーツについては「2019-20シーズンのプロリーグ、特にサッカーはまだ再開できない」と話した。

「ここではっきりさせておく。大規模なスポーツ大会や5000人以上の集会など、地元警察の開催許可と事前の日程調整が必要な行事は、9月まで開催を認めない」

 サッカーのリーグ1はこれまで、5月11日から選手を練習に呼び戻し、シーズンを6月には再開したいと考えていたが、首相の発言を受けて、フランスサッカー連盟(FFF)のノエル・ル・グラエ(Noel Le Graet)会長は、リーグ1と2のシーズンは「終わった」と思うとコメント。リーグは30日に電話会議を開いて今後のことを決めるという。

 その一方でスポーツ省が、7月までの開催は無観客でも難しいが、8月なら可能性はあると話したという情報もある。

 自転車ロードレースの三大ツール(グランツール)の一つ、ツール・ド・フランス(2020 Tour de France)は、観客数を制限した上で8月末から実施する予定となっている。ツールは例年真夏に開催されるが、すでに開幕を8月29日に延期している。

 フランスでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で2万3000人以上が死亡している。学校と商店は5月から再開する予定だが、レストランやバーに加え、大型の美術館や映画館、劇場、コンサートホールは引き続き当面閉鎖となる。(c)AFP