【4月28日 AFP】米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が今年1〜2月にかけて、新型コロナウイルスの危険性について情報機関から繰り返し警告を受けていたことが分かった。米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)が27日、報じた。

 これらの警告が行われたとされているころ、トランプ氏は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がパンデミック(世界的な大流行)化する可能性を軽視する発言を繰り返していた。

 ワシントン・ポスト紙は匿名の現役米高官と元高官らの発言を引用し、世界の諸問題や安全保障における脅威などをまとめて毎日提出される機密報告である大統領日例指示(大統領日報)に、新型ウイルスに関する警告が含まれていたと伝えた。その回数は10回以上に上っていたという。

 日報には何週間にもわたり、新型ウイルスの感染拡大の経過や、中国が致死率や感染力の強さに関する情報を隠蔽(いんぺい)しているという指摘、政治的かつ経済的に甚大な影響が出る可能性などが記載されていた。

 しばしば報告書を読まず、また口頭報告を聞かなければならないことにいら立ちを示すトランプ氏は、1月下旬に米中間の渡航を制限したものの、2月は脅威を軽視する発言にほぼ終始し、感染拡大に対する備えを怠った。

 パンデミックを受けてトランプ氏が緊急事態宣言をしたのは3月13日になってからで、株価は急落し、ニューヨークでは感染者が増加の一途をたどっていた。(c)AFP