【4月28日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ(Gianni Infantino)会長が、自身に関する捜査を取り下げさせるためにスイス検察に介入した疑いがあると、同国メディアが27日に報じた。

 スイス検察はインファンティーノ氏がFIFAの会長に当選した直後の2016年はじめ、同氏が欧州サッカー連盟(UEFA)の法務部長を務めていた時代に結んだオフショア会社とのテレビ放映権の契約に関して捜査を開始した。

 スイスの日刊紙トリビューン・ド・ジュネーブ(Tribune de Geneve)によると、インファンティーノ氏はこの捜査に「不安」を抱き、幼なじみであり一緒に育った同国バレー(Valais)州の検察幹部を務めるリナルド・アーノルド(Rinaldo Arnold)氏宛てに、「すべての問題ができるだけ早期に解決され、自分がこの問題には無関係であると明確に示されることが、私にとって有益だとスイス検察に説明したい」と記した電子メールを送ったという。

 インファンティーノ氏とミヒャエル・ラウバー(Michael Lauber)検事総長の最初の会合を仲介したアーノルド氏は、「2週間以内に面会することが重要だ。よければ、もう一度私が同行する」と返信したとされている。

 会合が行われたのは2016年4月22日で、そこで何が起きたのかは「謎」のままとなっており、スイス検察は「その件に関する言及を拒否」していると伝えられた。検察はこの記事に関するAFPの取材にもコメントを断った。

 FIFAは同日遅くに、「記事で言及されている電子メールは、明らかにハッキングで入手されたものであり、それは違法で犯罪行為だ」と主張すると、「インファンティーノ氏がその電子メールでうそをつく理由がないだけでなく、『自分の疑いを晴らす』ことを求めているとは決して書かれていない」と補足した。

 スイス・チューリヒに本部を置くFIFAは、インファンティーノ氏とスイス検察の会合の目的について、FIFAが「スイスの司法制度を順守する姿勢である」と示すためであると、これまで一貫して主張してきた。

 2017年11月に行われたインファンティーノ氏とラウバー検事総長との「3回目の非公式会合の後」、スイス検察はUEFA時代の同氏がサインした契約書に関する捜査を打ち切った。(c)AFP