【4月27日 AFP】男子テニスのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)が26日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)によって中断しているプロツアーが元通りに再開される可能性について、「非常に悲観的だ」と話した。

 スペインテニス連盟(RFET)が、昨年の男子国別対抗戦デビスカップ(Davis Cup 2019)の優勝メンバーを招いて行ったライブチャットで、ナダルは「僕の視点では、サーキットが日常に戻ることには非常に悲観的だ」と話した。

「テニスは毎週移動し、ホテルに泊まり、別の国へ行く必要がある」「無観客でやるにしても、大会の運営には多くのスタッフが関わるし、そこは無視できない点だ。国際レベルでは、深刻な問題だと思っている」

 ナダルは移動制限が徐々に緩和されてほしいと思う一方で、感染が世界で深刻になっていることも理解している。

「非常につらい1か月半で、取り返しのつかない命が数多く失われたし、他にも社会にとって大きな痛手になる出来事がたくさんあった。経済のレベルでは、ほんの数か月で終息することを願うばかりだ」「多くの人が仕事を失うことになる」「たくさんの人が亡くなっていくのを見るのは悲しい」

 以前に出演したラジオ番組でも、ナダルは四大大会(グランドスラム)の開催は「短、中期的には難しい」という考えを示した。

 ナダルは現在、友人でもある米プロバスケットボール(NBA)選手のパウ・ガソル(Pau Gasol)と共に、新型ウイルスとの闘いのために資金を集めている。またノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)やロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)らテニスのトップ選手と共に、経済的に苦しい下位ランクの選手を救済する基金の立ち上げも進めている。(c)AFP