【4月26日 AFP】米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は25日、ツイッター(Twitter)への投稿で、ホワイトハウス(White House)で毎日行っている新型コロナウイルスに関する定例会見について、時間を費やす価値がないと述べ、中止する可能性を示唆した。トランプ氏はこの2日前の定例会見で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療法として消毒液の注射を提案し、批判を呼んだばかり。

 新型ウイルス流行への対応をめぐる質問にいら立っているトランプ氏は、定例会見の中止を検討していると報じられているが、この報道を自ら認めた形になる。

 ケーブルテレビの夕方のニュース枠を毎日独占している大統領定例会見は通常、トランプ氏とマイク・ペンス(Mike Pence)副大統領、ホワイトハウスの新型コロナウイルス対策本部のメンバーが出席し、時に2時間以上に及ぶこともある。

  トランプ氏は23日の会見で、新型コロナウイルスに感染した人に紫外線を照射したり、家庭用消毒液を注射することで治療できる可能性があると発言し、視聴者をあぜんとさせた。

 トップクラスの医療専門家や消毒液メーカーがこの提案を強く否定すると、トランプ氏は翌24日、「皮肉を込めた」発言だったと主張した。トランプ氏はこの日の定例会見をわずか19分で打ち切り、記者団からの質問を一切受け付けなかった。そして25日、過去2か月間で50回に及んでいたホワイトハウスでの定例会見はついに行われなかった。

 トランプ氏は現在、11月に予定されている次期米大統領選で民主党候補となるジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領と対決すべく準備を進めている。

 そうした中、トランプ氏はこれまでは定例会見を用いてテレビ画面を独占し、自身の政権が掲げる政策を宣伝すると同時に批判の声をかわし、野党民主党の議員から中国、米メディアに至るまで数々の政敵を攻撃してきた。

 新型コロナウイルスの流行によって、米国ではこれまでに5万3000人以上が死亡している。有権者への世論調査によれば、新型ウイルスに関する定例会見によってトランプ氏への支持率が高まっているわけではない。(c)AFP