【4月25日 AFP】インドのノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)受賞者カイラシュ・サトヤルティ(Kailash Satyarthi)氏は24日、労働を強いられている国内の子供たちが新型コロナウイルスの感染拡大防止策として講じられた封鎖措置によって苦境に立たされているとして、子供たちの救出を支援するよう政府に要請した。同氏によると、封鎖措置の発表後、国内各地の企業経営者は安全のため自宅に引きこもったが、労働を強いられている子供たちは職場にとどめられ、食料は提供されていない。

 サトヤルティ氏は、不法な児童労働から子供を守る活動が認められ、2014年にパキスタンの活動家マララ・ユスフザイ(Malala Yousafzai)さんと共にノーベル平和賞を受賞した。

 同氏は、インドの工場や農場での労働を強いられ、弱い立場にある多数の子供たちへのリスクが切迫しているため、未成年労働者を即座に解放した雇用主には一時的な恩赦を与えるべきだと主張。ナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相に宛てた書簡で、「非常事態には通常とは異なる措置が必要だ」と訴えた。

 インドの2011年の国勢調査によると、同国で労働を強いられている子供は1000万人以上に上る。その多くが人身取引の被害に遭い、雇用主によって職場に閉じ込められている。

 インドでは先月、世界最大規模となる封鎖措置の開始に伴い、未成年者を含む何百万人もの出稼ぎ労働者が一夜にして職を失った。大勢の労働者がわずかな金銭と食料しか持たずに過酷な状況で故郷へ帰っており、児童労働をさせられていた少女が故郷に戻る途中、極度の疲労によって死亡する出来事も起きている。(c)AFP