【4月25日 AFP】オランダサッカー協会(KNVB)は24日、2019-20シーズンの国内リーグを打ち切ると発表した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な大流行)によりシーズンが打ち切りになるのは、欧州のトップリーグではこれが初めてのケースとなった。

 エールディビジ(1部)では、9試合を残しているアヤックス(Ajax)とAZアルクマール(AZ Alkmaar)が勝ち点で並んでいるものの、優勝チームは決定されないことになった。

 KNVBはコメント文を発表し、「残念ながら、政府による(大規模集会の禁止)措置を踏まえ、2019-20シーズンを完了することは不可能となった」「公衆衛生が常に最優先である。新型コロナウイルスが社会に与えている影響はサッカーだけの問題ではない。それでも、プロサッカー委員会は本日の決定が一部に大きな失望を引き起こすのは承知している」と述べた。

 得失点差でAZを上回るアヤックスが来季の欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2020-21)本大会の出場権を獲得し、KNVBは5月25日に欧州サッカー連盟(UEFA)の最終決定を待つことになるという。AZが同大会の予選に回る一方で、最終順位を基にフェイエノールト(Feyenoord)、PSVアイントホーフェン(PSV Eindhoven)、そしてヴィレムII(Willem II)がヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2020-21)で戦うことになった。

 オランダのリーグが王者なしでシーズンを終えるのは、1945年以降ではこれが初めての出来事となる中、アヤックスの最高経営責任者(CEO)を務めるエドウィン・ファン・デル・サール(Edwin Van Der Sar)氏は、「選手およびクラブとして、王者になりたいのは当然のこと」と、クラブの公式ウェブサイトで心境を切り出した。

「それをフィールド上で示したいし、われわれは一年を通じてずっとトップに立っていた」「王者の宣言が受けられないのは残念だ。しかし、この状況からすれば、それは仕方ないことだろう。今はサッカーよりもっと重要なことがある」

■降格と昇格はなし

 オランダ政府が大規模集会の禁止措置を9月1日になるまで延長すると決定したことを受け、KNVBは21日にシーズン打ち切りの意向を示していた。最終決定は24日に行われたクラブとの協議でなされ、来季のリーグ戦は今季と同じ18クラブで開幕する見通しだという。

「降格も昇格も行わない」と述べているKNVBは今後、2部の1位と2位につけているSCカンブール・レーワルデン(SC Cambuur-Leeuwarden)とデ・フラーフスハップ(De Graafschap)からの訴訟に直面すると予想されている。(c)AFP