【4月24日 AFP】オーストラリアラグビー協会(Rugby Australia)のレイリーン・キャッスル(Raelene Castle)最高経営責任者(CEO)が23日、突如辞任した。新型コロナウイルスによる活動中断に伴って協会に対する圧力が強まる中で、CEOをめぐっては臆測が広がっていた。

 在任期間中はいくつもの危機にひんし、財政上の問題も悪化していた48歳のキャッスルCEOは、発表文の中で「一個人よりもラグビー界全体の方が重要であるため、きょうの午後、(ポール・マクリーン<Paul McLean>)会長にCEOを辞任すると伝えた」と記した。「しっかりとした引き継ぎのために必要なことは何だってする」

 キャッスルCEOの退任により、昨年の営業損失が暫定で940万豪ドル(約6億4000万円)だったと報じられる豪協会は、テストマッチのスケジュール削減も視野に入っており、今後はさらなる混乱に直面することになる。

 スーパーラグビー(Super Rugby)の縮小に伴うウェスタン・フォース(Western Force)の除外によって豪ラグビー界が揺れていた2017年の末に、キャッスルCEOは就任した。

 しかし、同性愛嫌悪の発言で解雇したイズラエル・フォラウ(Israel Folau)との和解に数百万豪ドルを支払ったと報じられるなど、豪協会の課題は増えていく一方だった。

 オーストラリア代表は、昨年のW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)でイングランド代表に敗れ準々決勝敗退となった。また、高額な放映権契約の終了によって同国ラグビーの未来に暗雲が垂れ込める中、スーパーラグビーに参戦する同国のチームも長く好結果を残せていない。(c)AFP