【4月27日 AFP】米ミシガン州デトロイト(Detroit)の病院で看護師として働くジャスティン・ハラ(Justin Jara)さん(26)は、3週間の隔離生活を経て、今月14日に職場に復帰した。検査では新型コロナウイルスの抗体を獲得したという結果が出たが、彼はそれを完全に信じているわけではない。

「まだ恐怖が残っている。職場に戻るのが怖い」と、ハラさんはAFPの取材に語った。「医師には免疫ができて、抗体を持っていると言われたが、科学的にはまだ証明されていないことだ」

 今のところ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を引き起こすウイルス「SARS-CoV-2」に対しては、実証された治療法もワクチンもない。また、このウイルスが肺や腎臓、その他の臓器に長期的な影響を及ぼすのかどうかも、科学者らは解明していない。

 感染すれば免疫ができるのだろうか。もしできるとしたら、その免疫は風邪のようにある季節に限ったものなのか、それとも、はしかのように生涯にわたるものなのか。

 看護職や介護職の従事者の多くには、在宅勤務という選択肢がない。回復後には再び、最前線への復帰が必要とされる。多くの場合、ウイルスに感染した職場に戻るということだ。

 ハラさんが体調を崩したのは3月末だった。自分の持ち場は新型コロナウイルスの患者がいない「非コロナ病棟」だったため、看護師らは防護服の着用が必要とされていなかった。だが、検査結果では陰性だった患者の一人が、感染していたことが判明した。

 ハラさんは軽症の特徴とされる高熱や筋肉痛、息切れを乗り切り、自宅で回復した。だが復帰後の病院は、以前とは全く変わってしまっていた。受け持っている病棟のベッド35床は、今やCOVID-19治療専門となっていた。「自分が再感染しないように、これからとにかく注意するつもりだ」とハラさんは語った。